今月の法華宗行事予定(10.7〜10.13)
- 10.11
- ・高祖冬季御更衣会
【大本山鷲山寺】 - 10.12
- ・御会式
【大本山光長寺】 - ・御難会
【大本山鷲山寺】 - ・御会式(~13日)
【大本山本能寺】 - ・祖師講
【大本山本興寺】 - 10.13
- ・本山講
【大本山光長寺】 - ・十三日講
【大本山鷲山寺】
皆様、暑中お見舞い申し上げます。私の自坊がある赤穂も連日30度を越える暑さに見舞われ、汗が噴き出す毎日です。
さて、そんな厳しい日差しにも負けず、真夏に咲き誇る花の代表として、溜池やお堀によく見かける蓮の花(華)が挙げられます。
昔、自坊近くの赤穂城趾の堀に咲いている蓮の華を見かけました。緑色の大きな葉の中に、すくっと伸びた白や薄紫色の華を眺めていると、何とも云えぬ、神々しさや清々しさを感じたものです。私達仏教徒、特に法華経信仰者にとって、蓮は大変縁が深いものです。例えば、毎日読誦しているお経は「妙法蓮華経」唱えるお題目は「南無妙法蓮華経」であり、寺院の御宝前や各家庭のお仏壇の中には、金箔押しや彩色された蓮の常花があり、三宝尊の仏の座、四菩薩の台座、お位牌の台座にも、蓮の華を型どったものが多く見うけられます。ご承知の通り、蓮は汚泥の中でしか生育しません。しかしその汚泥の汚れに染まること無く、清らかで美しい華を咲かせます。そのことでよく菩薩に譬えられます。菩薩は、上求菩提、下化衆生と云われ、上に向かっては仏の知恵を求め修行をし、下に向かっては、衆生と共に生き、その衆生を救う人、もしくは、仏が衆生を救済する為に、姿を変化された人にも云うことがあります。
法華経の従地涌出品には「善ク菩薩ノ道ヲ学シテ、世間ノ法ニ染マザルコト、蓮華ノ水ニ在ルガ如シ」と説かれ、この経文はまさしく私達、法華信者の修行を示している文であります。新聞やテレビのニュースは、殺人や放火等の暗い話題で充ちています。この様な世の中、悪い気が充満していても、その悪に染まること無く、清く、正しく、美しくの信仰の生活を、蓮の華は教えてくれています。
日蓮大聖人は、この蓮の華の名がついた法華経を弘通されました。その時代背景には、当時大地震・暴風雨・洪水・大火・疫病・飢饉等が、度々起こり、末法思想と相まって社会が混乱しておりました。聖人は何故この様に世の中が乱れているのか、一切経及び多くの書物を研究されました。そして、この原因を仏教の祖、釈迦牟尼仏を蔑ろにし、阿弥陀仏や大日如来を有難く信仰している宗教が流行っているからであるとされ、この世の中を救うには釈迦牟尼仏の本意に叶ったお経である「妙法蓮華経」しかないという結論に達したのです。日蓮大聖人は安穏な世の中を実現するため、その命を法華経弘通に捧げたのです。
私達法華信者は、日蓮大聖人の意を継いで、後生に伝えるべく、「善学菩薩道 不染世間法 如蓮華在水」の経文を今一度かみしめて、本門八品上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経のお題目を弘通しなければなりません。